へそぽぴ🐶ブログ

株式投資に関するブログです。個別銘柄についても触れます。

久しぶりの投稿🐢

こんにちは、れもです🐶

成長株と呼ばれる新興のウルトラグロース株が際限なく買われる相場がひと段落し、ようやく大型バリュー系にも資金が回ってきましたね。市場をうごめく資金循環のうねりに流されないよう自分のスタイルに自信をもって投資を続けていきたいですね。短期的に上手くいってなくとも、もっともその短期が1か月なのか1年なのかはわかりませんが、期待値をしっかり積めているのならば全く焦らず投資を続けていればいいと思うのです。

 

 

さて、今回自分の中でとても良い銘柄を見つけられたので考えをまとめてみようと思います。このブログは初心者の方への入門書ではないので私の頭の中にある記憶を整理するためのものですので、興味を持たれた方はIR情報を確認なさることをお勧めします。

※間違った情報も多分にあるかと思います

 

今回まとめたのは、マザーズ市場に上場しているアイリック(コード番号7325)という銘柄です。

セグメントは保険販売事業とソリューション事業の2セグメントなのですが、少々わかりにくい部分があるのでもう少し分解する必要があるかと思います。というのも、保険販売事業の中に直営店舗の個人保険販売と法人販売部門があり、ソリューション事業の中にFC部門があるという、同じ保険代理店ビジネスなのにセグメントをまたがって分類されているのが理解を難しくしています。

私の頭の中では

①保険代理店

②保険販売サポートICツール

③AIOCR

の3つに分類しています。

①から見てみましょう。

ここは・直営店舗での個人への保険販売、・法人への保険販売、・FC展開の3つに分けられます。

直営店舗への販売は消費者に最も馴染みのある分野で、業界No1のほけんの窓口グループに次ぐ業界2番手を目指しています。確かに説明資料にあるように、店舗数は2016年に比べて4年でほぼ倍の44店舗となっており、店舗数の拡大スピードは見ごたえがあるものとなっています。またそれに伴って直営店での人材採用も進めており、直営店エリア拡大型の展開をもくろんでいます。おそらく直営店は立地などの条件も良くFC店舗に比べて売り上げは良好であるようです。赤字店舗については小松店の減損があったように比較的早い段階で特損を刻んでおり、リスクを低減させているように思えます。この点は固定費がかさむビジネスをしている以上、突然のリスク顕在化を避けるために非常に重要であると考えています。

次に法人への保険販売ですが、これは2019年の保険業法改正により法人の損金算入に制限が設けられるようになったことからかなり将来性の厳しい分野と思われます。会社の予想としても減収減益としており、ここの成長余地は見込めないものと思います。

最後にFC展開です。上述したように業界2番手を目指す保険クリニックグループは300店舗を目標にFC展開での拡大を目指しています。上位に位置する同業他社で同じようなFC展開を広く募っている会社はありません。これは保険クリニックが有するASシステムおよび教育体制が整っていることにより、FC店でもある一定レベルの水準を維持できるからこそだと考えます。それを証明するようにFC店舗の売り上げについては、保険収入だけでなく新規開店サポートのための売り上げや導入費用が大きくなっています。

 

次に②についてはこの会社の利益のキモであるチャリンチャリンビジネス、ASシリーズに尽きるかと思われます。生命保険業界に特化した他社も含めた証券を一元化できるサービスとそれに付帯したオプションサービスは、この会社が10年以上かけてバージョンアップしてきた金を産む無形資産であり、大手金融機関や大手保険会社から初期費用と月額費用をID数に応じてチャリンチャリンいただくサブスクモデルとなっています。これは業界の特殊性を考えても代えの利かないサービスであり、参入障壁も高いものとなっております。なんとこのASシステムは売上7億もの規模であり、ここ数年の成長性も目を見張るものがあります。大手保険会社への導入が続いていることや今後の保険オンライン化の流れを考えても世の中に必要とされ続けるよいポジションを確保しているように感じます。

 

最後に③については、これからのアイリック社が時価総額300億円企業に留まるのか、1000億企業へ駆け上るのか、その明暗を分ける部分となっています。このAI-OCRという業界は成熟していない部分も多く、今後このビジネスがどのように成長していくかは正直不明です。ただ一つだけ言えることはこのスマートOCRという会社独自のサービスが単なる付加サービスではないということです。その技術力はAI-OCRが脚光を浴びる前から開発が進められてきたものであり、他社にも劣らないどころか優位ですらあると考えます。ただ非定型OCRの性質上コストの問題は解決しきれておらず、市場が追い付いてくるのかという点ではまだまだどうなるかわからないでしょう。

 

さて、ここまで①~③まで簡単に事業について述べてきましたが、

・単に保険を販売する保険販売セグメント

・これらのサービスを金融、保険分野の大手会社さんへ納めているソリューションセグメント(この中にFC店舗からの保険販売も含まれてしまう)

この2つが資料にあるセグメント別ですね。

 

◎現在の価値について

本日時点のアイリック社株価は850円前後で推移しており、時価総額70億前後の公募価格割れとなっています。2018年の上場時から3年間直営店を増やしASシステムの顧客拡大は進み、AIOCRのAPI連携の話も順調でパッケージ販売も増えています。その3年間の成長が市場では0評価となっているのです。

なぜでしょうか。

これは2つの要素が絡み合っているようです。1つ目はコロナ渦によるものです。2020/3期の4Qにおいては直営店をはじめとした売り上げが立たず、固定費を垂れ流す結果となりました。やはり直営部分は固定費の塊なので、客が来ないとかなり費用先行となってしまいます。2つ目は2021/3期から始まる先行投資です。いまどき時代遅れとも思われるTVCMに大規模に費やすという印象の悪さが投資家を遠ざけています。

言いたいことはお判りでしょうか。

1つ目のコロナの影響は短期的なものである上に月次にあるようにリスクが世の中に溢れている現在、保険というものに興味を持つ人は増えているようです。またオンライン保険が定着し始めており、最終的な契約は実店舗で行う必要があることがほとんどであるものの、これまで無駄とされていたリアル店舗での接客などは省エネ化効率化されていきます。コロナによりDXの追い風もあり金融機関などではシステム導入の機運が高まっています。

2つ目の先行投資について、果たして本当にこの上期が赤字の着地となるでしょうか。コロナによる経済活動の停滞は一息ついており、街中は多くの人であふれかえっております。おそらく直営店の売り上げも巡行ペースには回復しているでしょう。会社予想では減収となっているFC店舗についても、撤退は目立たずむしろ新規開店をもくろむ異業種参入が続いています。上場企業でもかつてパートナーエージェントという会社(現タメニー社)でも成婚したカップルに保険販売を勧めるため保険クリニックにFC加盟しているほどです。ASシステムは地銀だけでなく信用金庫まで導入が決まりました。対して広告費用がどのくらいかというと、皆さんご存じの通りコロナ渦で広告会社は打撃を受け広告単価の下落が続いています。以前保険クリニックの広告のための費用が4300万円だったと過去動画におもらしがありましたが、今回はそれより規模を大きくしたとはいえその2倍は超えているとはさすがに考えにくいと思います。

私の皮算用はここでは書きませんが、上期本当に赤字の着地となるでしょうか。

 

👦もし広告宣伝費を投下した上半期が黒字で着地したら

 

👧ストック収入がしっかり伸びてきたとしたら

 

👮スマートOCRに大きな材料が降ってきたら

 

公募割れ付近からさらに値崩れする未来が見えるか、底値をつけて上場後のJカーブとなるのか。1年後どうなっているでしょう。

 

広告宣伝費はいつでも調整できます。

今現在の収益力を考えると四季報にもあるように7億ほどの営業利益は見込めるでしょう。その会社が70億で買えます。上場時から大株主であるIFAが株価2000円でも1株たりとも手放していない現状をどのように考えるでしょうか。

『いやいや、そうはいっても継続的に広告を打たなきゃいけないならそれは固定費ではないか。今後も保険屋さんに未来はない。』

いまの市場の声はこんな感じでしょうかね。

 

 

人の行く裏に道あり

資産が数百万の時から資産は数十倍になり桁が2つほど変わった今もやっていることは全く変わっていません。皆が買わない銘柄、投資期に市場が見捨てた銘柄を淡々と拾って花が咲くのを待ちたいと思います。