成長株の価値を考えてみる
こんにちは、れもです🐶
今日のお話は成長株を資産バリューの視点に落とし込むというものです。
それでは、成長株の価値とはなんでしょうか。
教科書的な話をかみ砕くと、”すでに持ってる資産+将来の収益性”とでもいえるでしょうか。しかし、この将来の収益性というのが厄介ですね。投資初心者には近寄りがたいですね。
横道にそれますが、収益性を推定する上での構成要素はなんでしょうか。
まず一つ目が、成長率。それは市場の大きさがどのくらいなのか、シェアをどのくらい取れるのか、サービス提供のための営業活動がどのくらい可能なのか、広告宣伝費をどのくらいかけるのか、市場環境がどのように変化するのか、など多くの因子が絡んできます。ここで投資家目線で考えなければならないのは、成長率とその確度でしょう。
そんなもの不確定じゃないか。
確実に負けない、バリュー投資がしたい。
投資を始めたばかりの方はそのような思いで資産バリュー投資を選びがちですね。
そんな方々のために、成長株の評価軸でも資産バリュー投資の発想で戦えるという考えを連ねたいと思います。
題材に上げたいのが、前回のブログ記事で登場したうるるです。
有価証券報告書によると、2019/3のBPSが672円です。
この銘柄は、過去3年間、着実に投資をしながらも1株利益で80円前後の積み増しをしています。しかし、2020期より大規模な投資を発表し、株価が50%ディスカウントされている銘柄です。ここで2パターン仮定の話をして両者を比較してみます。
(A)仮に純資産を同様に伸ばし続けていたとしましょう。
2020/3 752円
2021/3 872円
2022/3 952円
2023/3 1033円 現在株価 1053円
つまり、会社がオーガニックに成長していたと仮定すると、
4年後には現金同等物を中心とする純資産と時価総額が同程度になります。
別の見方をしましょう。
36億の時価総額に対して、純利益を2.5億計上しています。
2.5億円の積み増しが継続する(0成長)としても5年で時価総額に追いつきますね。
仮に、この成長が確実(100%補償)とすると、いまこの銘柄に投資すると4-5年(いま3月なので実質約3年)以後の成長分全てがリターンになるということになります。
この4年後の姿は、PER14.4、PBR0.95、(時価総額36億、現金同等物33億)みたいな感じでしょうか。もはや底堅い収益バリュー株ですね。和製バフェットがすぐに買い占めてしまいそうです。
では、今回投資をしている現状ではどう考察できるでしょう。
(B)現在の中計通りにいくとどうなるか(営業利益予想)
2020/3 1.5億程度の赤字(3Qまで会社計画順調のため、3Qと同等の投資と見込む)
2021/3 0.5億?(BPOの前倒しによる費用計上の前倒しで負担は軽く)
2022/3 3億?(このあたりから精度は落ちる)
2023/3 6億?
4年で7億の営業利益を獲得していますね。投資することで2億ほど法人税を軽減しているので実質のキャッシュフロー推移は(A)の場合と比べて1-2億しか変わりません。しかし、成長性が上乗せされており、資産的な価値に対して成長性の価値が大きく評価されそうですね。
ここで投げかけたいのですが、(A)と(B)のどちらが企業価値が高いでしょうか。。
もちろん皆さん声をそろえて(B)を選ぶでしょう。
つまり、本来成長株の下値は資産に置き換えづらいのですが、(A)のケースと比較することで、資産価値のみの場合とそれに成長性がのっかった場合を比較しやすくなりますね。さらに踏み込むと、会社が当初の中期経営計画を進捗していくだけで3年の間にどこかでブレイクするポイントが現れる(成長株部分が評価されて水準訂正が起こる)ということがわかりますね。
中長期投資家はただそれを待っていればいいのです。
会社の成長(舵取り)が順調に進んでいることだけを確認しながら。
以上、いつもお付き合いありがとうございます。